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特定技能外国人
2025.5.27
特定技能外国人の期間を徹底解説|1号・2号の違いと北海道での受け入れの注意点も紹介
特定技能外国人の在留期間は、何年まで働けるのか?更新や移行はどうするのか?
制度の仕組みや注意点を知らずに受け入れると、思わぬトラブルにつながることもあります。
この記事では、特定技能1号・2号の在留期間や更新のルール、技能実習との違い、北海道での受け入れの注意点まで、わかりやすく解説します。
目次
特定技能外国人とは?
人手不足が続く日本では、外国人の働き手を受け入れる制度として「特定技能制度」が注目されています。しかし、聞いたことはあるけれど、内容まではよく知らないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、特定技能制度の基本と「1号」と「2号」の違いについて、わかりやすく説明します。
特定技能という制度について
特定技能制度は、日本で働きたい外国人と、人手不足に悩む企業の双方をつなぐために、2019年にスタートした制度です。飲食業や建設業、農業、介護など、特に人手が足りていない16の分野が対象です。働くためには、一定の日本語力と、その仕事に必要な知識や技術が求められます。
従来の「技能実習」とは違い、より実践的に働くことができる制度で、条件を満たせば転職も可能です。即戦力として活躍できる外国人材を雇いたい企業にとっては、重要な選択肢のひとつと言えるでしょう。
「1号」と「2号」って何が違うの?
特定技能には「1号」と「2号」の2つがあり、それぞれ条件や働ける期間などが異なります。1号は、比較的シンプルな作業を含む職種で働ける制度で、在留できるのは通算5年までです。一方、2号はもっと高いレベルの技術や経験が必要で、在留期間の上限がありません。1号では家族の帯同は基本的に認められていませんが、2号では家族を日本に呼ぶことも可能です。
特定技能1号の在留期間について
「特定技能1号」で外国人を雇用する場合、どのくらいの期間働いてもらえるのか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、基本的な在留期間や更新の仕組み、注意点についてご説明します。
どのくらい働ける?更新のしくみも紹介
特定技能1号の在留期間は、最長で「通算5年」と決まっています。ただし、一度に5年の許可が出るわけではなく、初回は1年以内が一般的で、その後は条件を満たせば更新を重ねていくことになります。
更新ごとに、外国人本人と企業のどちらも一定の条件を守っているかがチェックされます。更新時には、就労状況や生活環境、支援体制なども見られるため、受け入れ企業には継続的なサポートが求められます。
「通算5年」ってどういう意味?注意点も解説
「通算5年」とは、在留期間を何度更新しても、合計で5年を超えることはできないという意味です。たとえば、1年ごとの更新を5回繰り返せば、そこで1号としての在留は終了となります。ただし、途中で帰国した場合でも、同じ在留資格で再入国すれば過去の期間も合算されるため、企業側としては在留歴の管理にも注意が必要です。
また、5年を迎えた後に「特定技能2号」へ移行する道もありますが、それには別途条件を満たす必要があります。
技能実習から移った場合のカウント方法
技能実習を終えた外国人が特定技能1号へ移行するケースも増えています。この場合、「技能実習期間」は特定技能1号の「通算5年」には含まれません。つまり、技能実習を3年間行ったあとに特定技能1号へ移れば、そこから新たに最大5年間働くことができます。
ただし、技能実習からスムーズに移行するためには、所定の評価試験の一部が免除されるなどの特例もあるため、制度の理解と手続きが大切です。
特定技能2号の在留期間について
特定技能1号に比べると、特定技能2号はまだあまり知られていないかもしれません。しかし、制度としては大きな特徴があり、より長期的な雇用にもつながる可能性があります。ここでは、1号との違いや永住の可能性、対象職種などをご紹介します。
1号との違いと、長く働ける可能性について
特定技能2号の大きな特徴は、在留期間に上限がないという点です。1号は通算5年までと制限がありますが、2号では期間の定めがなく、条件を満たせば更新を繰り返して長く働き続けることができます。
また、家族を日本に呼ぶことも可能になるため、より安定した生活を前提とした働き方ができるのも大きな魅力です。ただし、2号は1号よりも高い技能が求められるため、取得には一定のハードルがあるのも事実です。
永住権を目指せるの?
特定技能2号の在留期間には上限がなく、更新を続けながら長期間日本で生活することができます。そのため、条件を満たせば将来的に永住権の申請が可能になります。永住を目指す場合には、安定した収入や納税状況、日本での生活年数などがポイントとなります。
1号では永住申請の対象にはなりませんが、2号ならその道が開ける可能性があります。企業にとっても、長く働いてくれる人材を育てるチャンスとなります。
対象の仕事や試験について
特定技能2号の職種としては、「ビルクリーニング」「工業製品製造業」「建設」「造船・舶用工業」「自動車整備」「航空」「宿泊」「農業」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」などです。
2号の取得には、1号での経験を積んだうえで、さらに難易度の高い技能評価試験に合格する必要があります。また、試験の実施状況や頻度は職種によって異なるため、事前にしっかりと情報を確認しておくことが重要です。
特定技能の期間が終わった後はどうなる?
特定技能1号で働ける期間には上限がありますが、その後の進路について具体的なイメージを持てていない方も多いかもしれません。ここでは、5年を終えた後にどんな選択肢があるのか、企業として知っておきたいポイントを紹介します。
帰国する?それとも2号に移行できる?
特定技能1号の在留期間が通算5年に達すると、原則としてその資格での滞在は終了します。この時点で帰国する方もいますが、条件を満たせば「特定技能2号」への移行が可能です。2号へ移るには、対象の業種で働いており、かつ定められた技能評価試験に合格する必要があります。
今のところ2号が認められているのは限られた分野だけですが、移行できれば在留期間に制限なく働き続けられるようになります。
別の在留資格に切り替えられる?
特定技能2号だけでなく、他の在留資格に変更する道もあります。たとえば、日本人と結婚して「日本人の配偶者等」の資格を得ることや、特定の条件を満たして「定住者」や「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格へ変更するケースもあります。
ただし、こうした変更には個別の条件や審査があり、必ず認められるとは限りません。企業としては、外国人本人の意向や今後の働き方について早めに話し合い、必要に応じてサポートしていくことが必要です。
永住や定住のチャンスはある?
特定技能1号だけでは永住権の申請はできませんが、特定技能2号に移行して長期間働くことや、他の在留資格に切り替えて安定した生活基盤を築いた場合には、将来的に永住を目指すことも可能になります。
特に、継続して就労していることや、納税・社会保険への加入などが評価されるため、企業としても生活面や手続きの支援を行うことが大切です。長く日本に住み続けたいという本人の希望に寄り添うことで、信頼関係の構築にもつながります。
技能実習との期間の違いを知っておこう
外国人を雇用する際、技能実習と特定技能の違いを正しく理解しておくことはとても大切です。ここでは、両者の在留期間の違いや、技能実習から特定技能に移行する際のポイントをわかりやすくご紹介します。
技能実習はどれくらいの期間働ける?
技能実習制度では、原則として「技能実習1号」「2号」「3号」と段階的に進んでいく仕組みになっています。1号は1年間、2号は最長2年間、3号も最長2年間の滞在が可能で、合計すると最大5年間働くことができます。
ただし、3号に進むためには企業や職種に一定の条件があり、すべての実習生が必ず5年間働けるわけではありません。技能の習得が目的であるため、就労に重点を置いた特定技能とは制度の趣旨が異なります。
技能実習から特定技能に切り替えるときのポイント
技能実習を終えた外国人が、引き続き日本で働きたいと希望する場合には、特定技能1号へ移行するルートがあります。このとき、技能実習2号を良好に修了していれば、特定技能の試験が免除されるというメリットがあります。
つまり、スムーズに在留資格を切り替えることができ、受け入れ企業にとっても新たに人材を探す手間が省けます。また、技能実習と特定技能の在留期間は別カウントとなるため、実習で3年働いた人でも、特定技能1号でさらに5年間働くことが可能です。受け入れ企業としては、実績ある人材を継続して雇用できるチャンスと言えるでしょう。
在留期間を更新するには?
特定技能で働く外国人を継続的に雇用するためには、在留期間の更新手続きが欠かせません。ここでは、企業側と本人がそれぞれ準備すべき書類や、手続きにかかる期間・費用についてご説明します。
会社が準備する書類について
在留期間の更新申請では、企業側も複数の書類を提出する必要があります。代表的なものには、雇用契約書、雇用理由書、支援計画書(登録支援機関が支援する場合)、会社の登記簿謄本、直近の決算書などがあります。
これらの書類は、雇用の継続性や労働条件が適切であることを証明するために使われます。不備があると審査が長引く原因になるため、事前にしっかりと準備することが大切です。
外国人本人が用意するもの
外国人本人が用意する主な書類は、在留カード、パスポート、写真(縦4cm×横3cm)、更新申請書などです。また、必要に応じて住民票や源泉徴収票、健康保険証の写しなどが求められることもあります。
日本語での申請に不安がある場合は、企業側がサポートしてあげると安心です。本人にとっても、在留資格の更新は生活の継続に関わる重要な手続きです。
手続きにかかる時間と費用
更新申請は、在留期間が切れる約3か月前から提出可能です。審査にかかる期間は、おおよそ1か月〜2か月ほどが目安とされていますが、時期や申請内容によって前後することがあります。
余裕を持ったスケジュールで動くことが重要です。費用については、1回の更新につき原則として4,000円の収入印紙が必要になります。比較的低コストですが、手続きの煩雑さを考えると、登録支援機関など外部のサポートを活用するのもひとつの方法です。
北海道で外国人を受け入れるときに気をつけたいこと
北海道で外国人材を受け入れる企業が増えていますが、地域特有の事情を踏まえた対応が重要です。ここでは、北海道に多い職種や在留資格の傾向、冬のサポート体制、そして定着を促す工夫についてご紹介します。
北海道に多い仕事と在留資格の傾向
北海道では、農業、食品製造業、宿泊業などの分野で特定技能外国人の受け入れが進んでいます。特に季節によって労働力が必要になる農業や観光関連では、柔軟な人材確保の手段として注目されています。
在留資格としては、特定技能1号が多く活用されており、技能実習を修了した外国人がそのまま移行するケースも目立ちます。分野ごとの制度や要件をしっかり把握し、自社に合った人材配置を行うことが大切です。
冬の働き方や生活支援で注意すべき点
北海道ならではの大きな特徴といえば、やはり冬の寒さや雪の影響です。特定技能外国人の中には、寒冷地での生活が初めてという人も多く、衣食住のサポートが欠かせません。たとえば、暖房設備の整った住居の確保や、除雪作業の注意点、通勤の安全確保など、生活面での配慮が必要です。
また、冬場は仕事量が減る職種もあるため、計画的な勤務調整や補助的な業務の用意があると安心です。
長く働いてもらうための地域密着の工夫
外国人材に長く働いてもらうためには、地域に溶け込んでもらうことが重要です。たとえば、日本語学習の支援や地域イベントへの参加機会を提供することで、孤立を防ぎ、安心して生活できる環境づくりができます。
また、相談しやすい職場の雰囲気や、必要に応じた生活相談窓口の設置なども効果的です。企業が「一緒に働く仲間」として向き合う姿勢が、定着率の向上にもつながります。
まとめ|特定技能外国人の期間をきちんと理解して受け入れよう
特定技能1号は通算5年という上限がある一方で、特定技能2号へ移行すれば、長期間の就労や家族帯同も可能になります。また、技能実習からの移行や、地域ならではの支援体制を整えることも、人材定着に大きく関わってきます。
特に北海道のような地域では、季節や生活環境に合わせたサポートが重要です。制度の理解だけでなく、外国人材が安心して働き続けられる環境を整えることが、企業にとっても大きなメリットとなります。
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