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特定技能外国人

2025.2.17

特定技能外国人の一時帰国、どう対応する?必要な手続きと注意点

特定技能外国人が日本で働く中で、一時帰国を希望することがあります。家族の事情や休暇を利用した帰国は認められていますが、みなし再入国許可の申請や在留期限の確認など、適切な手続きが必要となります。

また、企業側も業務への影響や休暇の扱いを考え、スムーズに対応することが求められます。特に北海道では、冬季の移動リスクも含めた対応が必要となるでしょう。この記事では、特定技能外国人の一時帰国に関する注意点や企業の対応方法を詳しく解説していきます。

特定技能外国人の一時帰国とは?

特定技能外国人として働くスタッフも、母国へ帰るため有給休暇などを使用して一時帰国することができます。一時帰国とはどのようなものか、確認していきましょう。

一時帰国とは?

一時帰国とは、特定技能外国人が一時的に母国に帰国することを言い、家族との時間を過ごすためや冠婚葬祭など理由は様々ですが、一時帰国することが認められています。この一時帰国をするためには特定技能外国人が自ら準備するだけではなく、企業側も事前に準備を行い、スムーズに手続きすることが必要です。

特に、「みなし再入国許可」の手続きや、在留期限の確認はとても重要で、最悪の場合、帰国後に日本に戻れなくなるケースもあります。

特定技能外国人が一時帰国をする際には、企業側に人手不足などの影響を受ける場合がありますので、本人と相談しながら一時帰国の準備をしましょう。

一時帰国する権利はある

特定技能外国人は、一時帰国する権利があります。日本で働く労働者として、適切に休暇を取得できることや、有給休暇を利用することが認められています。特定技能外国人の一時帰国に関するルールを理解して、企業側も適切に対応することが必要です。

特定技能外国人からの一時帰国の希望が来たときはどうすれば良い?

特定技能外国人から一時帰国の相談があった場合、企業はどのように対応すればよいのでしょうか?対応する内容について確認していきましょう。

有給休暇の利用を許可する

特定技能外国人も日本の労働者として、有給休暇を取得する権利があります。本人が有給休暇を使って一時帰国を希望する場合、企業側はこれを認める必要があります。有給休暇の日数は、雇用契約や勤務期間によって異なります。一般的には、入社して半年が経過すると、労働基準法に基づき有給休暇が付与されます。ただし、すでに有給休暇を使い切っている場合は、無給の休暇を認めるかどうか、企業の判断が必要になります。

一時帰国中の期間は通算期間に含まれる

一時帰国を希望してきた際に注意したいのは、「在留期間」の問題です。特定技能外国人が一時帰国した場合、日本にいない場合でも在留期間として日数に含まれます。そのため、在留期限に近い場合は注意が必要です。

一時帰国中に在留期限が切れてしまうと、再入国できなくなるなどのリスクもありますので、必ず在留期間や在留期限については事前に確認しておきましょう。

一時帰国の費用は本人が負担する

特定技能外国人が一時帰国する際の費用については、基本的には本人が負担します。日本人スタッフが帰省するときに交通費を払ってあげることが無いのと同じように、一時帰国に対して交通費を支払う義務はありません。ただし、海外出張など会社側の理由で一時帰国を求める場合は企業側が支払うなどの例外はあります。

特定技能外国人の一時帰国で注意すべき点

特定技能外国人が一時帰国する際には、事前に確認すべき注意点があります。それぞれ確認していきましょう。

みなし再入国許可を申請

特定技能外国人が一時帰国する場合、「みなし再入国許可」の手続きをする必要があります。みなし再入国許可とは、在留カードを持っている外国人が出国後1年以内に戻る場合に、特別な許可なく再入国できるというものです。

在留期限内に戻ってくることが条件ではありますが、手続きは空港の出入国管理カウンターにてみなし再入国許可の手続きをするだけなので必ず行いましょう。

在留期限に注意すること

特定技能外国人の在留資格には期限があり、定期的に更新が必要となります。一時帰国中に在留期限が切れてしまうと、再入国できなくなりますので、必ず事前に確認しておきましょう。本人任せにせず、企業側も本人と一緒に在留期限を確認し、必要に応じて更新手続きを進めることが必要です。

一時帰国中の給与や雇用契約を確認しておくこと

一時帰国中の給与の扱いは、雇用契約の内容によって異なります。基本的には、有給休暇を利用する場合は給与が支払われますが、それ以外の休暇では無給となることが一般的です。また、長期間の一時帰国を希望する場合、休職扱いとなるかどうかを事前に確認する必要があり、休職中の給与や社会保険の取り扱いについても、本人と企業側でしっかり合意を取っておく必要があります。

日本では当たり前と思っていても、特定技能外国人の母国では当たり前ではないケースがありますので、必ず本人と話して確認しましょう。

企業としても、一時帰国によるトラブルを防ぐために、給与や契約の取り扱いについて明確なルールを設け、事前に本人と共有しておくことが重要です。

みなし再入国許可について

特定技能外国人が一時帰国をする際には、日本に戻るための手続きを忘れないことが大切です。その中でも重要なのが「みなし再入国許可」です。みなし再入国許可について確認していきましょう。

みなし再入国許可とは

みなし再入国許可とは、在留カードを持っている外国人が、日本を出国後1年以内に戻る場合、事前の許可申請なしで再入国できる制度です。日本にいる外国人が日本を離れる際には、再び入国するために「再入国許可」を取得する必要があります。しかし、みなし再入国許可を利用すれば、特別な申請をすることなく、一時的な帰国が可能になります。

ただし、在留期間中に日本に戻ることと、「みなし再入国許可」の手続きを行うことが必要となります。

みなし再入国許可の申請方法

みなし再入国許可の申請は、日本を出国する際に空港の出入国管理カウンターで行います。特別な書類の提出は必要なく、以下の手順で簡単に手続きが可能です。

1.空港で出国手続きを行う
2.「みなし再入国許可を利用する」ことを申告
3.パスポートと在留カードを提示する
4.入国審査官から「みなし再入国許可」の確認を受ける

この手続きを行えば、1年以内に日本へ戻る場合は問題なく再入国できます。ただし、1年以内でも在留期限が先に切れる場合は、期限内に戻らないと再入国できなくなるため注意しましょう。

また、未成年者や特定の状況にある外国人の場合、通常の再入国許可が必要になることもあります。事前に企業の担当者や出入国在留管理庁に確認しておくと安心です。

みなし再入国許可の届出を忘れた場合

万が一、出国時に「みなし再入国許可」の手続きをせずに母国へ帰国してしまった場合、在留資格は無効となり、日本へ再入国するためには新たにビザを申請する必要があります。この場合、以下の手続きが必要になります。

1.日本の在外公館(大使館や領事館)で新しいビザを申請
2.入国管理局で新しい在留資格の許可を取得
3.改めて日本へ入国する

ただし、新しいビザを取得するには時間がかかるため、雇用契約が無効になってしまう可能性もあります。また、企業側にも負担がかかるため、本人と企業の双方にとって大きなリスクとなりますので、みなし再入国許可を確実に申請することが重要です。

企業としても、特定技能外国人の従業員に対してこのルールをしっかり説明し、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。

特定技能外国人が一時帰国した後、再入国できないことはある?

特定技能外国人が一時帰国後に再入国できないケースがあります。それは、「在留期限の切れ」「みなし再入国許可の未申請」「入国審査での問題」などです。

これまでご紹介してきたように、在留期限が切れてしまったり、みなし再入国許可の申請を怠ったりすると、特定技能外国人が一時帰国した際に、日本に戻ることが出来なくなってしまいます。

それ以外にも、入国審査で何か問題があり、日本に入国できないというケースもあります。たとえば、健康状態や何らかの違反があった場合、また、感染症の流行時に特定の入国制限が設けられている場合などです。

このようなトラブルを防ぐためにも、一時帰国前には必ず在留資格や必要な手続きを確認し、確実に再入国できる状態を整えておきましょう。企業側も、従業員が安心して帰国し、再入国できるようサポートすることが大切です。

有給休暇を使い切っている場合はどうすれば良い?

特定技能外国人が一時帰国を希望しても、有給休暇をすでに使い切っている場合、どのように対応すればよいのでしょうか?考えられるのが、無給の休暇(欠勤扱い)を認める方法です。有給休暇がない場合でも、会社が許可すれば一定期間の休みを取ることは可能です。ただし、その間の給与は支払われないため、本人とよく相談し、休暇期間や復帰の予定を明確に決めておくことが重要です。

会社の特別休暇制度や代休の利用が可能なケースもあり、企業の方針によっては、特例として休みを認める場合もあります。

北海道の企業が一時帰国を利用させる際の注意点

特定技能外国人から一時帰国の相談があった場合、北海道の企業としてどのように対応すればよいでしょうか?

一時帰国で人手が足りなくなったらどうする?

特定技能外国人が一時帰国することで、一時的に人手が足りなくなる可能性があります。特に小規模な企業や繁忙期の場合、業務への影響が大きくなるため、事前の調整が重要です。

北海道では季節によって観光業や農業など特定の業界が忙しくなるため、業務量が増える時期を把握しておき、企業と従業員の双方が納得できる形で休暇のスケジュールを決めていきましょう。

事前に本人と相談して決めていくことで、スムーズな一時帰国をしてもらうことができるでしょう。

北海道ならではの注意点(冬の移動や気候の影響)

北海道は冬の寒さや積雪の影響を受けやすく、飛行機や公共交通機関の遅延・欠航が発生しやすいため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。例えば、特定技能外国人が新千歳空港を利用する場合、悪天候による欠航や遅延の可能性があるため、予定よりも早めに移動するようにアドバイスするのが望ましいです。

また、道内の交通手段(バス・鉄道・タクシーなど)が悪天候で運休になることもありますが、北海道で働く特定技能外国人の中には、雪道の運転に慣れていない人も多いため、冬季の移動はできるだけ公共交通機関を利用してもらうようにするのが安全面でも望ましいです。

また、冬季に帰国する場合、暖かい国からの外国人にとって、帰国後の気温差による体調不良のリスクも考えられます。企業側としても、寒さ対策や防寒具の準備についてアドバイスすることで、従業員が安心して一時帰国できるようサポートしましょう。

まとめ:特定技能外国人の一時帰国にしっかり対応しよう

ここまで、特定技能外国人の一時帰国について、詳しくご紹介していきました。特定技能外国人の一時帰国を受け入れる際、北海道の企業は業務への影響や交通スケジュールなどを考え、事前に調整することが重要です。特に繁忙期を避け、スケジュール調整することで人手不足も防げるでしょう。

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